Business Law
HomecomingDay 2023
イベント報告

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ホームカミングデーを開催

2023年11月23日(木・祝)に弥永真生先生(明治大学会計専門職研究科専任教授・筑波大学客員教授)、前田重行先生(元学習院大学大学院法務研究科教授、元筑波大学社会科学系教授)をお迎えして、筑波大学大学院法学学位プログラム(※)のホームカミングデーを開催しました。
(※):2020年4月から本学全大学院組織を学位プログラム制へ移行したことに伴い、企業法学専攻及び企業科学専攻企業法コースは、ビジネス科学研究群法学学位プログラムに組織改組されております。

当日は、筑波大学大学院法学学位プログラムの教員、修了生および現役学生らが続々と集まり、会場(東京キャンパス1F大教室134)はご講演の開始前から熱気と期待に溢れる雰囲気に包まれました。

(講演会場の様子)

開会の挨拶

開会にあたり、筑波大学大学院法学学位プログラム プログラムリーダー 木村真生子先生よりご挨拶をいただきました。木村先生は、本会は、2020年の「ビジネス・サイエンス系30周年イベント/企業法学専攻創設30年記念前田重行先生講演会」の中止および同窓会設立構想の頓挫といった新型コロナウィルス感染拡大による未曽有の困難を乗り越え、創基 151 年筑波大学開学 50 周年を記念して開催するものであることについて言及されました。また、新型コロナウィルスのパンデミックを経験し、人と人との繋がりの大切さが再認識される中で、池田雅則先生(成城大学法学部教授・元筑波大学ビジネス・サイエンス系教授)在任時からの長い構想期間を経て、会員相互の交流と会員と大学との密な連携により母校の発展に寄与することを目的として、OB・OGの有志により2023年1月に筑波大学企業法学同窓会が設立されたことについても言及されました。
続いて、筑波大学企業法学同窓会 松本龍昌会長よりご挨拶いたしました。松本会長は、各所への謝意とともに、リスキリングの先駆けともいえる法学学位プログラムの変遷と、会員相互の交流とネットワーク作りを軸とした同窓会の発展を、同窓会役員一同で企図している旨を言及いたしました。

(左:木村先生、右:松本会長)

講演会(第一部)

第一部のメインプログラムである講演会では、弥永先生より「ディスクロージャーとガバナンス」(講演1)、前田先生より「株式会社法の変化とこれからの方向 —株主至上主義の修正とステークホルダーの考慮—」(講演2)をテーマにご講演いただきました。
講演1をご担当いただいた弥永先生のご専門は、会計学と法律学との交錯領域で、数多くの優れた研究成果を発表されました。その研究の主たる手法は、各国の法制度の調査を踏まえ、わが国の制度の在り方を明らかにするものです。 この度のご講演は、企業の利害関係者が意思決定に必要な情報を提供するディスクロージャーと、企業活動の根幹であるガバナンスについて、有価証券報告書やコーポレートガバナンス報告書などを題材に法的観点から語ってくださるものでした。
有価証券報告書に占める非財務情報の拡充状況、金融審議会・東京証券取引所の議論の変遷や関係法令の改正状況などに触れ、適切なガバナンスを確保するためにディスクロージャーという手法が用いられ、ディスクロージャーが適切に行われるためには、会社における企業内容等の開示に係るガバナンス体制が不可欠であることについて解き明かしてくださいました。

(弥永先生と講演中風景)

講演会(第二部)

講演2をご担当いただいた前田先生のご専門は、株式会社、証券取引規制、金融取引法および金融制度に対する法規制で、企業法・金融法を中心とする幅広い分野において、数多くの優れた研究成果を発表されました。
この度のご講演は、会社経営を通じて株主利益の最大化を図る株主至上主義について、アメリカの財界ロビー団体ビジネス・ラウンドテーブルの「企業の目的に関する声明」にみられるような株主至上主義の変化に注目された上で、イギリスやドイツの会社法も概観しつつ、ステークホルダーを重視する会社法の規律の在り方について、魅力的に語ってくださるものでした。
そうした中、前田先生は、取締役の業務執行時には、短期的な利益追求ではなく長期的・持続的な観点での利益追求を図るといったステークホルダーの利益への考慮が望まれ、昨今の社会的環境からしてもこのような配慮が必要であるとご説明されました。我が国の会社法上では、短期的な株主利益の向上が求められていることから、イギリスの会社法に規定されるような啓蒙的株主価値理論の採用が困難であるため、コーポレートガバナンスコードの規定によって、従業員・顧客・地域といったステークホルダーの利益を積極的に考慮することを提言され、株主至上主義の変化とこれからの方向性について明快に示してくださいました。

(講演中の風景と前田先生)

同窓会入会のご案内

第一部の最後に、筑波大学企業法学同窓会 加茂佳史副会長より、同窓会の入会方法についてご案内後、和やかな雰囲気と知的興奮の中に講演会は終了となりました。

懇親会の様子

続く第二部では、茗溪会館に会場を移し、華やかな雰囲気で懇親会を開催いたしました。
第一部に引き続き多くの方々がご出席され、先生方のご挨拶や旧交を温める会話が弾む中、盛況のうちに終了いたしました。

(左:ご挨拶される弥永先生、右:懇親会場の様子)

イベント概要

本会は、創基 151 年筑波大学開学 50 周年を記念して、筑波大学大学院法学学位プログラムと筑波大学企業法学同窓会の共催によって開催いたしました。

1. 日時:2023年11月23日(木・祝)
第一部(講演会)13:30~16:30
第二部(懇親会)17:30~19:30

2. 開催場所
第一部(講演会)筑波大学東京キャンパス1F大教室134(オンライン同時配信)
第二部(懇親会)嘉ノ雅 茗渓館

3. 参加費用
第一部(講演会)無料
第二部(懇親会)6,000円

4. 参加者
筑波大学大学院法学学位プログラムに関わる教員・学生